西郷党BLOG

仕末に困る人 西郷吉之助 2p045-第五章_03

仕末に困る人西郷吉之助

第五章 西郷と政治

政治は理想と完全を求め進化すべきである

「政治がよくなければ、常に難儀をするのは民(国民)だ」
これは西郷の終生変わらぬ考え方である。西郷が理想とする政治は尭・舜の治世である。『遺訓』の中で「尭舜を以て手本とし、孔夫子を教師とせよ」「尭舜は天下に王として万機の政事を執り給へ共、其の職とする所は教師なり」と言っているところから見てもそうである。西郷の思想である「敬天愛人」を実践しようとするとき、政治のモデルとなるのは尭・舜の政治であろう。

己が聖賢の道を目指したように、国家もまた国家の聖賢を同じように目指すべきである。そうしてこそ、国家を形成している国民が安心して安全に生活でき、人の道を行うことができるのである。現代の世界の国においても民主主義が多数を占め、一部に共産主義国家がある。

人類は現在に至るまで長い年月を費やし、さまざまな試行錯誤を繰り返して民主主義と共産主義という二つの国家を統治する形態を生み出した。要は国家を構成している国民にとって、より公平でより公正でより民意を反映しているのが民主主義。自由主義ということである。
しかしながら、世界の大勢を占めている民主主義国家においても、少しずつ資本主義。自由経済といった面で歪みが出てきている。古来、政治体制の固定化と行き詰まりは人類に革命と戦争という被害をもたらした。現今の世界情勢を見てみると、地球的な環境問題、資源問題、南北問題があり、民族紛争や局地戦争も相変わらず起きて蛸  いる。西郷の「敬天愛人」にはほど遠く、人々が道を行う環境ではない。人類はよりよい政治体制を模索し、理想に向かって進化し続けなければならない。


人は「西郷の政治思想は古く陳腐である」とよく言うが、明治に西郷が目指したであろう道義国家を世界で建設したためしはないのである。人類は今こそ民主主義自由資本経済の改善を試みるべきときではないだろうか。国民一人ひとりがゆとりを持って楽しく健康に生きられるようにするには、どうしたらよいのか。いかなる政治システムであるべきなのか。
日本の政治は世界に誇れるものであり、すばらしい国であると私は思っている。しし、格差が現れ出しており、わがままが人の心に少しずつ入り込んでいる。

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