活動報告

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2022年秋号 エール 【一般社団法人日本民間防衛連合会代表理】金子富夫×【日本道義主義の会】早川幹夫

全文掲載

日本道義主義の会 対談

日本道義主義の会会長
早川幹夫
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一般社団法人日本民間防衛連合会 代表理事
金子富夫

国民の安全を守れる政治家になる

地震、台風など災各の多い昨今、いざ大きな災害が出た時に日本の政治家は国民をキれるのだろうか。西郷隆盛の道義のたを広める日本道義主義の会はもし西郷隆盛だったらというテーマで今の災害を考えます。今回は防災アナリストとして各地で活躍十の金子富夫さんと災与と国の安全について対談Lました。

金子富夫
一般社団法人日本民間防衛連合会代表理事。日本道義主義の会理事。東京消防庁入庁.蒲田消防署、目黒消防署、本庁総務部などを経る。平成3年大田区議会議員当選。現在防災アナリストとしてテレビ、ラジオコメンテイターとして活躍。新聞、雑誌などにもコメント多数。平成15年大田区議会議員再度当選。一般社団法人災害支援財団顧間、一班財団法人報歳教育協会講師などを務める。著書に「やっちゃならねぇ防災対策1~ 19条」

早川幹夫
日本道義主義の会会長。昭和23年鹿児島県奄美大島生まれ。拓殖大学卒。琉球大学文部事務官に就職。その後沖縄・東京で人材派遣会社を起業し、現在に至る。西郷隆盛の生き方に感銘を受け、混迷する現在の世界の政治と経済に道義主義を唱える。著書に「―箇の大丈夫西郷吉之助」「道義国家を目指した西郷吉之助」「始末に困る人 西郷吉之助」などがある。

想定外の出来事に対峙できる危機管理が必要

金子富夫

防災。防衛の専門家として活動してきましたが、今の世相を見ると悲惨です。人々は直接会うこともなく、携帯電話で会話をするのが日常です。政治も乱れています。私は以前区会議員として活動していましたが、今の政治家の状態を見ると失望の方が大きいです。早川会長の道義主義に賛同して今後国政に打って出るために一緒に活動したいと思っています。

早川幹夫

国会議員になる最初の目的は「何のために政治家になるの」というところが肝心です。親が議員だから、親戚が議員だからという酒屋の跡取りを継ぐ感覚や有名人だから、組織に押されたからという理由で政治家になるのでは日本は危ういと思います。「何のため」が大切だと思います。
政治家の一挙手一投足は国の右左を決める上で重要な要素です。議員となった以上は、国のために覚悟を持たなければなるべきではないと思います。
民主主義国家ですから、どうしても皆さんから推されて議員になるし、その皆さんに入り込むようになります。そしてその票を維持したいと思うようになります。

ウクライナの戦争を見てもわかるように外交は特に重要です。国を守るためには道義を踏み、正しい道であれば国が倒れる覚悟で交渉をしなければならない、相手が大国だから、強大だからと円滑を主としたりおもねるようなことをするとかえって相手から侮られるだけだと西郷隆盛は言っています。防災も、八方に気を配つて、一分の隙があってはいけない。それが常なんだと言っています。そういう環境を西郷隆盛だったら作るんじゃないか。八方に気を配い、一人も死なせることのない。日本のためを思ってびくともしない。そういう日本を政治家が作れるか。それが今の政治家や総理大臣に問われることです。

金子富夫

 日本は官邸も各省庁もバラバラです。総選挙があると、防災省を作れというけど、言うだけ。作れないなら官邸に厳しい指揮権を与えて、自衛隊はこう動け、国交省はこう動けと言える強い指揮権があるべきです。
地震が起きると、官邸に対策室ができますが、集まるにはどんなに早くても15〜20分。その間、人は死んでるわけです。また、金曜日の夕方から日曜日は休み。そうすると対策会議開催が月曜。その間にすでに多くの人が死んでいます。だから何かある度に集まるのではなくて、常にいなさいと言いたいです。
その組織は官邸直轄ですぐ動けるように自衛隊、消防、警察など実務のできる人間をトツプに置くべきです。学者ではなくて、実務を素早くできる人じゃないとまとまらないと思います。
よく災害の訓練などでも一定の範囲です。もし災害や戦争が起きたら、それは「想定外」だったと言います。災害とは全て想定外のことなんです。

早川幹夫

そうですよね。全てが想定外、一寸先は間です。それを間にしない。手を打っておかなければならないと思いました。そのためには、一年365日動ける体制を作らないといけません。警察官や消防士は土日でも休みがないわけですから。そういうふうに政治の中枢の人もいつでも動ける体制を作るべきだし、西郷隆盛も生きていたらそうするだろうと思います。
一旦緩急あらば、ではなく、緩急あってもいいような対策をとるべきです。その指揮命令は総理大臣直轄の体制。だから総理大臣が土日休みや夏休みをとったらだめですよ。そういう意味で国会議員や総理大臣は大変な仕事です。給料が安いし、休みがないしと、一般国民から気の毒がられるようじゃないとだめですよ。

それには「政治家」ではなく消防士のように「政治士」です。先生ではなく政治士というと、付度する暇はないです。政治は誰でもできる。政治経験ゼロで県知事になれる人もいるし、特別ではありません。それをあたかも特別であるかのようにしてしまっている。志のある人であれば、誰でもリーダーになれるようにしたいですね。

金子富夫

政治士というのは見事ですね。消防士も24時間365日もどんな時もすぐ出動します。出動先は「想定外」ではなく全ては初めてのことです。
私自身、区会議員時代も何かあったらすぐ動く気持ちでいました。議員というのはたかが代表なんです。国会議員だろうが、地方議員だろうが、それを忘れちゃいけない。
私は議員というのは、社会の安全を守る、人の生活を守る、この2点であると思っています。国であれ、地方であれ、政策が大きいか小さいかの違いです。それを忘れてしまってはいけません。議員バッジをつけたとたん、偉くなつたような気がする人が多いのですが、それではいけないんです。世襲だから政治家になるのではなく、その能力さえあればいいのです。
もう一つ、日本人は江戸時代の幕藩体制を今でも悪い意味で背負っていますね。行政が「お上」であるかのように思っている節があります。
そうじゃなくてトップの組織というのは、人様のためにやつているわけだから、そういうところを権威づけたりしてはだめなんです。ちょっとしたことでも、申請書を出せとか法律がどうのこうの、行政間の変な裁量というか決まりが日本は大きすぎますね。融通が利かないのですね。
最近も何度も行政や警察に相談したけれど取り合ってくれなくて結局殺されてしまった親子がいました。人の命を守ることができなかったのです。それではいけません。
私が消防士として現役の時は、かなり燃えているところでもホース一本持って現場に入り火を消して、人を助けました。そのために自分も怪我をしたこともありますが、助けなければならないのです。消防士は身体はって、命かけて助ける気持ちがないと助けられないと思います。
最近は自然災害が多いですよね。気候変動で、雨や台風もすごい。苦言を呈するとすれば、災害が起きるのはわかっているはずです。でも台風も大雨でも災害が起こってからしか対策しません。
日本には自衛隊25万人、消防士 16万人、警察官4〜50万人います。それがなぜ気象庁が大雨警報を出している時に出動しないのか。災害が起きるだろうところに1万人でも先行して派遣すればいれば助けられる命があるわけです。

危機感を常に持つことそんな政治家が必要

早川幹夫

西郷隆盛も外の圧力を考えていたようです。家に強盗が入ってきた時でも心を動揺せず対応できるよう訓練しなさいといっています。突然起こったことに対処するのではなくて、起こることを想定して手配りする。
そういうのが西郷隆盛の手の打ち方にあります。思いもしないことが起こった時、 一点動揺せずして、安然としてそのことを処する胆力を日々養っておけと言っています。昔は泥棒が来た時にそれを想定して枕元に刀を置いたり、何か投げるものを置いたものだそうです。
政治家は危機感を朝から晩まで持ってないといけない。それが仕事です。何があってもおかしくない時代です。だから危機感を持てる人が政治家でないといけません。
お前考えておけ、あれしておけと、危機感を人に振るようでは危ういです。トップは常に、こういう時はああしよう、こうしようと。最後は自分の身を捨てる覚悟。それが大事だと思います。そういう人に国を任せると安心です。

金子富夫

政治家がゴルフだとか、旅行だとか行くのではなく、24時間ずっと緊張して勤務しないといけない。だから国会議員になつたり、総理大臣に就いた瞬間から辞するまで緊張勤務です。何かあつたらすぐ行動する。その危機感が足りない。

早川幹夫

寝ている時も飛び起きて、瞬時に行動できる。そういう訓練。そして指揮できる指揮系統。それができないと総理大臣になってはいけないです。

金子富夫

今日電車の中で挙動不審の人がいたんです。その前には女の子がうつらうつらしていました。私はすぐ降りなければならなので降りた時に運転手にちょつとおかしい人がいるから注意してと言いました。最近は何か起きるとみんなすぐ逃げますね。車両の中には腕っぷしの強い人もいるのだから、何かあった時に「やろうじゃないか」とみんなで協力できれば大きな問題にもならないですみます。そんな社会にしたいです。

早川幹夫

実際にあった話ですが、遮断機の中で老人が陣っていました。そこに列車が来る。踏切の先頭の車に30代くらいの女性が運転していて、その人が車から出て老人を助けるんです。
女性の隣に乗っていた父親が今からじや間に合わないぞやめろ― というけど、女性は助けに行く。娘さんは助けた後に跳ねられて死んでしまう。その行動はどこから発動するのか。それを私は「道義」といいたい。娘さんはかわいそうですが、人にはそういう義がある。そこに私たちが主張する道義主義があるのです。人類というのは、戦争を繰り返しながら進化したのは何かと考えたことがあります。人類のDNAは危機感を持つこと。これが一番大切です。
アフリヵの森から草原に降りた猿が、森は安全だけど、草原だと肉食獣のライオンとか豹が来る。その危機感で遠くまで見渡せるように二足歩行になったんです。
もう一つは、情報の伝達。言語。lキロ先にライオンがいるぞと仲間に伝えないといけない。3番目が未知への挑戦です。やっばリコロンブスとか、未だ知らざるところにあえて挑戦する。そして4番目が1%の道義心。身知らぬ人だけど瞬時に気が動いて、身を捨てて、その人を助ける。それが人類のDNAだなと思います。しかし、ロシアとウクライナの戦争をみても1% の道義心がないです。道義の心を持つことが人間の成長につながるのです。

国政に参加して変革を起こす力を持ちたい

金子富夫

 東北大震災でも自分の身を捨てて人を助ける人がたくさんいましたね。本当に正義をかざす人はいるんです。行動に移さないけど気持ちがある人もいます。それはそれでいいと思います。気持ちがあるだけで十分。
アフリカで、ライオンが像を襲うとか、鹿を襲うとき群れをなして助けようとしますよね。あれが動物の本能の原点だと思います。理屈はいらない。

議員というのはたかが代表。これを忘れちやいけない。もう一つはみんなの安全を守る。それは腹を括らないとできないことです。来年選挙があります。お前何回もやるのかといわれましたが、別に何回も選挙に出てもいいんです。国民の安全を守るというのは、国政でないとできません。早川会長からも、金子さん、来年できるなら俺もやるからといわれて、本当に嬉しかったですよ。

早川幹夫

国政に出る理由としては、日本の民主主義国家では、議員にならないと国の方向性の変革ができないからです。だから変革できる力をつけたい。それだけの気持ちです。

金子富夫

私が国の制度で正したいと思っていることのひとつは、立候補をする際の供託金です。昔、供託金を作ったのは、議員に立候補する者が乱立するからだと言われています。でも先日の衆議院選挙でも既にこんなに乱立していますよね。衆議院議員に立候補する時、小選挙区で300万円、比例代表で600万も支払うわけです。やりたくても原資がないとできない。区議会選挙でも30万くらいの供託金が必要です。そういう制度を廃止して、誰でも立候補してもいいとしないと、特定の人しか出られません。
また、与党政党の半分以上が4代日、5代目。外国なんて、弁護士だろうと、医者だろうと、誰でも出ています。向こうは給料だってボランティアみたいなものです。職業をやりながら議員をしている。だから八百屋のおじさんでもいい。議会だって何も昼間じゃなくて夜中だっていい。
いくらでも変えられるのに誰も提言しません。
私は区会議員の時に、おかしいと思つたことは一人だけでも反対をしました。すると、「みんなに合わせろ」と区長に言われました。
国会では総理大臣提案だったり、地方だと区長、市長提案で制度や法律が議会に出されます。すると、与党系は顔立てないといけないから審議なしで賛成する。全てごもっとも。それは上司に逆らえないサラリーマンと同じです。それはだめです。

早川幹夫

民主主義は日々変革しないと、愚民政治に陥ってしまいます。そのためにも道義主義の会はそれをできるポジションを作らないといけないと思います。

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