第四章 廃国置県
1 世界国家建設への流れ
人類社会は何百年後か分からないが、いずれ世界国家建設へ進んで行くであろう。
それは、最近ウクライナの一部であるクリミア半島をロシアがクリミア共和国として独立させ、強引に自国に編入してしたことにある。逆の方向の流れのように思えるが、実際はこのことが端諸となって人類社会は徐々に世界国家建設の方向へ進んで行くと思われる。どの国の国民も安心して安全に生活できることを望む。それを脅かす要因は現代において強大になる傾向にあり、一つの国家だけでは十分でなく、多くの国家が協力して対処しようとする。脅かす要因が大きくなるほど、協力の度合いは高まり、一つの国家への統合に近づくことは自然の流れと言える。現に世界国家形成のための一つのモデルとも言えるヨーロッパ連合(EU)が存在している。EUは通貨の統一から始まり、まだまだ試行錯誤の段階ではあるが、国家という垣根を低くしたことは事実なのである。
地球上の人類が安心して安全に生活できることを最も重視すれば、それぞれの国家の軍事費や国家間の経済競争が不必要で無駄なことになる。世界が一つの統一国家になった方が合理的であると誰しも思うはずである。これが一番素直な考え方であろう。しかしながら現在の世界情勢を見て分かるように、自国の権益を優先させる大国のエゴは強く、現在の世界の思想や意識ではかえって紛争や大型の戦争につながらないともかぎらない状況である。