おわりに
二〇〇八年も終わろうとしています。六月中旬から書き始め、第一回の校正が出来、読み直しているところです。西郷の弁護人になるあまり、大久保のことを少し悪く書いたきらいがあります。西郷は征韓論や西南戦争について一切の弁明と自己弁護をしませんでした。それで誰かが西郷の弁護をしなければ、西郷像は永遠にこのままであろうと思われます。西郷より長く生きたことで『遺訓』にある西郷の言葉がだいぶ分かってきました。『遺訓』に表れている西郷の心の中に入って、厚顔無恥を顧みず西郷の思いを書いてみました。日本に一人でも多く大丈夫西郷吉之助のような人が現れることを願うからです。
最後に、編集・校正と文進印刷の高橋哲朗氏には大変お世話いただき本当にありがとうございました。また、私の長年の友人である嵩元盛兼氏には適切な助言をいただいたことを感謝します。
平成二十年十二月三十日
参考文献抄
『西郷南洲先生遺訓』（財団法人西郷南洲顕彰会発行。昭和五十一年）
『西郷南洲遺訓』（山田済斎編 岩波書店刊・昭和十四年）
『西郷隆盛』（海音寺潮五郎著 朝日新聞社刊・平成十九年）
『大西郷全集 第二巻』（大西郷全集刊行会 平凡社刊。昭和二年）
『奄美大島と大西郷』（昇曙夢著 新人物往来社刊・昭和五十二年）
『西郷隆盛』（山口宗之著 明徳出版社刊。平成五年）
※本文中の『遺訓』の訳は、財団法人西郷南洲顕彰会発刊の『西郷南洲
先生遺訓』（口語訳付）からの引用である。
●著者紹介
早川幹夫(はゃかゎ・みきお)
昭和23年5月15日、鹿児島県奄美市名瀬生まれ。
長崎東高卒、拓殖大学卒。琉球大学で文部事務官として9年6カ月勤務。退職後、事業を始め、現在人材派遣会社を経営。
仕末に困る人西郷吉之助
2009年3月1日 初版第1昴1発行
著 者 早川幹夫
〒9000013 沖縄県那覇市牧志2-18-17
電話:098(860)0059
発行者長嶺紀昭
発行所 文進印層1出版部
〒9020073 沖縄県那覇市字上間567
電話:098(833)3636
FAX:098(835)4102
製本・印昴1 文進印刷株式会社
ISBN978-487215-259-3 C0095 定価1500円(税込み)
