西郷党BLOG

道義国家を目指した 西郷吉之助 3p047-第五章_02

道義国家を目指した西郷吉之助

第五章  四海同胞

2 教育の大切さ

人としての教育を受けて、はじめて人となることが出来る。地域や社会や国家を問わず貧富も問わず、どこで生まれようとも正しい基礎教育を十五年程度は施さなければならない。教育は出来るならそれぞれの国家に任せるのではなく、たとえばユネスコのような国際機関が一手に代行した方が正しい平等公平な教育を施せる。それぞれの国家に委ねると宗教色が強かったり特定思想が入ったり、貧困ゆえに教育が放置されたりして、結局は国家事情によって教育は異なってしまう。それでは今までと変わらぬ状態が続くことになり四海同胞の意識を持たせられないだろう。

日本では一八七一(明治四)年七月文部省(現在の文部科学技術省)を設置、一八七二(明治五)年、西郷内閣の時、学制を公布し義務教育制を実施した。西郷の前述の漢詩にあるように、「頻に敷き及せ」と文部省が日本全国津々浦々に制度を普及させたのである。それによって日本の文盲率は劇的に減少し、戦後日本の文盲はほとんどなくなる。現在では一億三千万の人口を擁しながら文盲は皆無とさえ言える。
人類の子供に関しては、正しい基礎教育を平等に公平に漏れなく施すには義務教育という強制は必要であろう。

現在でもイスラム教諸国では女性への教育は軽視されており、またアフリカやアジアの発展途上国では多くの貧困層は教育を受けられないことが常態化している。このような国家は国家を形成すべきではない。人類の未来を担う子供をしっかり教育すること、これが親や社会や国家の責任であり義務である。国家の仕事とは子供に十分な教育を施すことが第一の責務といえる。そして子供の教育を安心して行える環境にすることが、国家を運営する大人の責任と義務である。

人類の遺産である膨大な知識を学習させなければならない。そうすることで人としての自覚と知識をもとにして、無限の可能性へ飛翔できるのである。人間の脳の容量は大宇宙の広大さにも匹敵するとも言われる。その偉大な脳を持つ人間に、知識という情報を与えないことは人間進化への冒涜であり、悪であるとさえ言える。人として成長し拡大発展するにはどうしても教育は欠かせない。とくに子供の教育は重要で、色を付けないで正しい基礎教育を、愛情をもって行わなければならない。そうすれば人類の未来は必ず明るくなるはずである。

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