西郷党BLOG

道義国家を目指した 西郷吉之助 3p016-第二章_02

道義国家を目指した西郷吉之助

第二章  道義主義

2 西郷の言う道とは

西郷が主張する道には、広辞苑に記載された道義の意味も含まれているが、それだけではない。宇宙の視点で見ると、人間も自然界の一部であり、大自然の中に含まれて存在しているのである。人間界は自然界と全く別な存在ではなく、その一部であり、人間もまた宇宙大自然の法則に従って生を営まなければならないと西郷は考える。大宇宙の創造者、万物の創造者を天と位置づけ、天の機能を仁愛としている。天の機能を極小まで下げると、子を産み育てる母親の行為に近いであろう。西郷は

「道みちは天地自然の物にして、人は之を行うものなれば、天を敬するを目的とす。天は人も我も同一に愛し給うゆえ、我を愛する心を以て人を愛する也」

と述べている。自由意志を持ち、際限のない欲望を抱く人間が、天の機能に添おうとすることが人の道であると主張するのである。
西郷の言う道とは、人間のみの道ではなく、天の意思に直結しているものであり、宇宙の法則や大自然の法則に合致すると考えている。そして道とはただ概念として存在するものではなく、実践することによってはじめて身につき人間としての成長につながるとしている。さらに、道を実践することで人間の生きる目的や天の意思を知り得ると西郷は考えている。

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