第四章 廃国置県
5 アメリカ県、ロシア県、中国県のように現在の国家を地方にする
ロシアによるクリミア編入に端を発したウクライナとロシアの紛争は、ますます拡大の様相を呈している。いつの日か、世界に存在する国家を一挙に日本の県のような地方にしなければならない時が来るであろう。ウクライナ県、ロシア県となったら、いずれも日本の県のようになって国同士の争いはなくなる。それぞれが中央政府のもとで、一つの地方になるのだから争う必要もない。中国も、アメリカも、日本も、韓国も北朝鮮もそれぞれ地方の県となるのである。EUは一度解体してもう一度県として出直すようにする。世界の国々が国家という枠を取り払い地方自治体となる。
今日、科学技術と産業が発達し、世界中どこの国へも短時間で往来ができる。また、世界のどの地域にいてもインターネットが繋がり、通信や情報の収集ができる環境になっている。これらの面ではすでに国家や国境はなくなっているようなものである。国家の存在目的から見ても、その役割は地方で十分な時代になってきている。無理に国家の概念にとらわれて存続させても、住民にとっては害になるだけである。国家の必要性がなくなっている。現在を地球上の人類という視点で見てみよう。地球温暖化問題、各国の原発問題、核兵器の問題、世界経済の問題、各地の紛争問題などいずれも、大国の手によって解決しようとすれば、かえってこじれる結果になることは誰が見ても明らかである。以前、極真空手の創始者である大山倍達氏が著作の中で「日本人の半数が世界各国に移住して戻ってこないようにした方が良い」と述べておられた。
国家意識や民族や文化や宗教に強くこだわると、その分排他的になって国家の壁がますます高く強固になる。自国と他国の利害の関係も際立ってくる。そもそも人類は混血を繰り返し長い時間をかけて進化を遂げてきた。日本人の半数が海外に移住したら、大山倍達氏の言うように国籍がどこであるとか、何々民族であるとかの意識は相当薄くなるであろう。
同様に世界の各国で移住し混血することが普通となれば国家や民族への意識も、日本の出身県は何県といったような程度のものになるであろう。極真空手を一代で世界各国に広め、約一千万人の道場生を持つ大山倍達氏は、国籍や民族にとらわれない意識をすでに持ち、当たり前の環境を望んでいたにすぎないのであろう。もっとも西郷の言う天の視点では国籍や民族などどこにもなく国境すらないのである。そこには地球人類という人間が存在しているだけである。